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勿忘草は庭に植えてはいけない?増えすぎないようにする育て方のコツ

勿忘草は庭に植えてはいけない?増えすぎないようにする育て方のコツ
ホリカワ
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住宅ライターのホリカワです。植栽やお庭づくりのポイントを、わかりやすく解説します。

「勿忘草(ワスレナグサ)は庭に植えてはいけない」と聞いたことはないだろうか?じつは、勿忘草はこぼれ種で増えやすく、園芸初心者の中には管理を断念してしまう方もいる。

しかし、適切な対策を取れば、勿忘草を美しく咲かせながら庭をすてきに保つことができる。かわいらしい花を咲かせる勿忘草が目を引く、心和む庭をつくれるだろう。

本稿では、勿忘草を庭に植える際のリスクとその対策について詳しく解説する。勿忘草を植える前に、ぜひ最後までチェックしていただき、あなたの庭づくりに役立てていただきたい。

勿忘草(ワスレナグサ)を庭に植えてはいけない理由と対処法

勿忘草を庭に植えてはいけないと言われる理由と対処法

勿忘草は、その優しく凜とした美しさから、多くのガーデニング愛好家に人気がある。しかし、この花を植えたあとに、多くの人がその美しさに惹かれながらも管理の難しさに直面する。

あなたの庭でも同じような問題が起こる前に、その理由をしっかり理解しておこう。

こぼれ種で勝手に増殖する

勿忘草は、こぼれ種で勝手に増える性質がある。

勿忘草は花が終わると種をつけ、その種が人や動物にくっついたり風に飛ばされたりして、周囲に落ちると翌年芽を出して増殖するのだ。

だから勿忘草は、放っておくと庭全体に広がってしまう可能性がある。自分でガーデンデザインをコントロールしたい方にとっては、手ごわい相手だ。

では、どうすれば勿忘草の気ままな増殖を抑えられるのだろうか?

ホリカワ
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対策としては、以下のようなことが有効です。
花がら摘み 花が終わったらすぐに花がらを摘み取ることで、種ができるのを防ぎ、こぼれ種による増殖を抑制できる。
株の引き抜き 花が終わったら、種ができる前に株ごと引き抜いてしまうのも効果的。翌年の発芽を防ぐことができる。
除草 庭に出てきた株のうち不要なものは、早めに引き抜いて除草する。小さいうちは、根も浅いので抜きやすい。
プランター栽培 地植えせずにプランターで育てることで、こぼれ種の拡散を防げる。プランターなら、移動もしやすい。

勿忘草は、管理の手間はかかるが、可憐な花を毎年咲かせてくれる魅力的な草花だ。こぼれ種対策も「花を育てる一環」と考え、楽しんでみてほしい。

日本の夏の暑さに耐えられず、枯れやすい

勿忘草は日本の夏の暑さに弱く、枯れやすい性質がある。

勿忘草はもともとヨーロッパ原産の植物で、比較的涼しい気候を好む。一方、日本の夏は高温多湿になるため、勿忘草にとっては過酷な環境と言える。

とりわけ梅雨から夏にかけての蒸し暑さと強い日差しは、勿忘草にとって耐えづらいものだ。葉が枯れたり、株が弱ってしまったりする。

そのため日本では、勿忘草は一年草扱いされることが多い。

夏越しさせるための対策

勿忘草は、冷涼な場所なら、日本でも夏越しさせられる。夏越しのポイントは以下のとおりだ。

  • 風通しのよい半日陰で管理する
  • 花後に株を半分程度に切り戻す
  • 水やりは控えめにし、朝夕の涼しい時間におこなう
  • 高温多湿を避けるため、株を鉢に移し室内に取り込む

このように夏の暑さを避け、株に負担をかけないように管理することで、秋口まで株を維持できる。

一年草として扱う

勿忘草の夏越しの管理は、少し手間がかかる。そのため多くの方は、勿忘草を一年草として扱い「夏には枯れてしまっても構わない」と考えている。

秋にタネをまいて、春に開花を楽しみ、初夏には枯れるのを待ち、翌年もまたタネからの栽培する —— こうした育て方なら、夏越しの心配はいらない。

昨今の温暖化を考えれば、無理に夏越しさせるより、こちらのほうが自然に逆らわない育て方と言えるかもしれない。

花言葉「私を忘れないで」が怖い

勿忘草の花言葉「私を忘れないで」に怖いと感じる方もおられるようだ。

「勿れ」は「なかれ」と読む。「~してはいけない」という意味だ。勿忘草で「わすれなぐさ」と読ませる。このように名付けられた由来は、中世ドイツの悲恋伝説にあるそうだ。

昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、足を滑らせて水中に消えてしまい、命を落とした。

その時にルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ「Vergiss-mein-nicht ! (僕のことを忘れないで!)」という言葉を残して死んだ。

残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にしたとされている。

出典:ウィキペディア (2024年8月30日)

なんとも悲しい伝説ではあるが、このエピソードから「真実の愛」という花言葉も生まれている。

「私を忘れないで」「真実の愛」—— たしかに、どちらも重いと言えば重い。人によっては、怖い花言葉かもしれない。

勿忘草(ワスレナグサ)の魅了や庭に植えるメリット

勿忘草の魅了や庭に植えるメリット

つづいて、勿忘草の魅力や庭に植えるメリットをご紹介しよう。

春の庭を美しく彩る

勿忘草は、3月下旬から6月上旬にかけて青や紫、ピンクなどの小さな花を無数に咲かせる。庭を美しく彩り、春の訪れを感じさせる魅力的な草花だ。

ホリカワ
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とりわけ、群生する姿が美しいですよね。

勿忘草は地面を這うように広がり、たくさんの小花が密集して咲き乱れる。その様子は、まるで青い絨毯を敷き詰めたかのようだ。

ふんわりとした草姿と、涼し気な花色もかわいらしい。ナチュラルガーデンやコテージガーデンなど、優しい雰囲気の庭づくりにはぴったりの草花と言えるだろう。

春に咲く他の草花との相性もバツグンだ。たとえば、こんな花と相性がよい。

  • パンジー、ビオラ
  • スイセン
  • チューリップ
  • プリムラ
  • アリッサム

勿忘草と上述の花を寄せ植えや花壇づくりに取り入れると、より一層華やかで美しい春の庭を演出できる。

勿忘草はガーデニング初心者でも育てやすいので、春の庭に取り入れてみてはいかが?

耐寒性が高く冬越しできる

もともと寒冷地に自生する勿忘草は、耐寒性が高く、冬越しが可能な植物だ。日本の冬の寒さにも耐えることができ、霜にも強いため、戸外で冬を越すことができる。

勿忘草を冬越しさせるには、以下のような方法がある。

地植えの場合 霜よけのため、株元にマルチングを施す。霜柱で根上がりしないよう、べたがけ用の不織布などで保護する。
鉢植えの場合 鉢を風当たりの少ない日陰に移動させる。土の乾燥に気をつける。厳寒期は軒下や室内に取り込んで管理する。

勿忘草は過湿に弱いので、冬の間も水はけには注意が必要だ。鉢植えの場合は、受け皿に水を溜めっぱなしにしないよう気をつけよう。

グランドカバーに適している

勿忘草は、グランドカバーに適した植物だ。

勿忘草の株は、密集して生える。だから、地面を覆って雑草の生育を抑制するグランドカバーの役割を果たしてくれる。

他にも、こんな理由からグランドカバーに適していると言える。

  • 丈夫で育てやすい
  • 春に美しい花を咲かせる
  • 種まきで増やせる

勿忘草は丈夫な植物で、育てやすい。また、手間をかけずに簡単に増やせるので、グランドカバーとして利用しやすい植物だと言える。

勿忘草は春先に青や紫、ピンクなどの可憐な花を咲かせ、一面に広がる姿がとても美しい。勿忘草なら、地面を覆うだけでなく、景観としての価値も高めてくれる。

さらに、勿忘草は種まきで簡単に増やすことができる。広い面積を覆いたいときは、安価に大量生産できる勿忘草が大活躍してくれるだろう。

ホリカワ
ホリカワ
ただし、こぼれ種で自然に増えすぎるのを防ぐため、花がら摘みなどの管理が必要な点には注意したいですね。

切り花やドライフラワーに利用できる

勿忘草は、切り花やドライフラワーとして利用でる。

切り花にする場合

勿忘草を切り花にした場合、花持ちは5日前後だろう。水下りしやすいため、水揚げしよう。湯揚げや深水もおすすめだ。

勿忘草は小さい花なので、バラやカーネーションといった大ぶりの花を合わせると、華やかでバランスがよくなる。小さなアレンジメントフラワーにも、ぴったりだ。

ドライフラワーにする場合

勿忘草は、ドライフラワーにも適している。ドライフラワーにすると、生花よりも長く楽しめる。

ドライフラワーにするときは、ハンギング法が簡単だろう。茎の端をひもか輪ゴムでしばって、直射日光の当たらない風通しのよい場所につるすだけだ。1~2週間でドライフラワーに仕上がる。

ドライフラワーにした勿忘草は、スワッグにして壁掛けにするといいだろう。花だけをシリカゲル法でドライフラワーにすれば、レジンやハーバリウムアクセサリーの素材に使える。

知っておきたい、勿忘草(ワスレナグサ)の植え方・育て方

知っておきたい、勿忘草の植え方・育て方

つづいて、勿忘草の植え方や育て方をご紹介しよう。

勿忘草を植えるのに適した環境

勿忘草を植える際、どんな環境が適しているのだろうか?主な条件をあげてみよう。

  • 風通しのよい場所
  • 日当たりを好むが、半日陰でもOK
  • 水はけと水もちのバランスがよい土壌

勿忘草は、風通しのよい場所を好み、日当たりのよい場所から半日陰の場所まで幅広い環境で育つ。日当たりのよい場所では、花つきがよくなる傾向がある。一方、真夏の暑さや直射日光は苦手だ。

勿忘草の生育に適しているのは、排水性と保水性のバランスが取れている土壌だ。有機質に富み、フカフカとしているとよい。植え付け前に、適量の堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおこう。

日当たりと風通しがよく、水はけのよい肥沃な土があれば、勿忘草をうまく育てることができる。ただし、過湿と肥料のやり過ぎには注意したい。

勿忘草の植え方と植える際の注意点

勿忘草は、秋になると苗が出回り、春には花が咲いた状態の株が市場に並ぶ。よって、植え付けに適した時期は以下となる。

  • 苗の秋植え:10月中旬~11月上旬ごろ
  • 株の春植え:3月ごろ

夏を過ぎるとタネが出回り、9月中旬頃からタネまきのシーズンが始まる。この時期にタネをまいて、来春に向けて健やかな苗を育てていくのもひとつの方法だ。

植え付けの手順をご紹介しよう。

  • 植え付け場所を深さ20~30cm程度耕し、柔らかい土にする
  • 腐葉土や堆肥、緩効性化成肥料を混ぜ込む
  • 株は横に広がるので、苗を20~30cm間隔で植え付ける
  • 植え付け後にたっぷりと水やりをする

なお、勿忘草は日当たりを好むが、真夏の直射日光は苦手だ。だから、花付きの株を植える場合は、半日陰の場所に植えるとよいだろう。

土壌は、排水性と保水性のバランスが取れた用土を準備する。耐寒性はあるが、霜柱で根上がりしないよう霜よけ対策をしておくとよい。

初心者でもできる育て方のコツ

勿忘草は初心者でも育てやすい植物だが、上手に育てるためのコツがいくつかある。ご紹介しておこう。

水やり 勿忘草は湿り気のある環境を好む。土の表面が乾いたらたっぷりと水やる。開花期の春から初夏は土が乾燥しないように注意。ただし、過湿にも注意が必要。水はけの悪い場所では根腐れを起こす。
施肥 肥沃な土を好むので、土壌に堆肥や腐葉土を混ぜ込む。植え付け期から開花期に、緩効性の固形肥料を施す。追肥の必要性は低いが、株のいきおいや葉の色づきが悪いときは、液体肥料を与える。
病害虫対策 アブラムシが発生しやすいので、見つけたら駆除する。葉についた水滴が乾かず、灰色かび病を生じることがある。風通しをよくし、こまめに傷んだ葉を取り除くとよい。
こぼれ種対策 花後に種ができ、周囲に飛散して増えすぎることがある。いとせずぞうしょくするのを防ぎたい場合は、花がら摘みをこまめにおこない、種ができるのを防ぐとよい。

日当たりや水はけに気をつけて植え付け、適度な水を与えることが勿忘草の育成の基本だ。肥料も与えるとよいが、多肥は苦手だ。

病害虫やこぼれ種についても、ていねいに管理していこう。

勿忘草はプランターでも育てられる?

勿忘草は、プランターでも育てられる。プランター栽培はだれでも手軽にできるので、勿忘草の栽培が初めての方におすすめだ。

勿忘草のプランター栽培には、以下のようなメリットがある。

  • 簡単に移動できる
  • 花と鉢との組み合わせを楽しめる
  • 地植えに比べて管理がしやすい
  • 病害虫の発生も抑えやすい

プランター栽培の最大のメリットは、移動しやすいことだろう。季節や天候に応じて場所を変えたり、室内においてお部屋を華やかにしたりできる。お気に入りの鉢に植えて楽しむことも可能だ。

ただし、繰り返しになるが勿忘草は水はけの悪い土を嫌う。プランターも、水はけの悪いものは避けよう。肥料のやり過ぎにも、注意が必要だ。

プランター栽培なら、地植えに比べて管理もしやすい。害虫対策にも、気を配れる。水はけや施肥の量や頻度に気をつけながら、ぜひプランターで勿忘草を育ててみてほしい。

勿忘草の寄せ植えにおすすめの植物

勿忘草を育てるなら、ぜひ混植や寄せ植えにも挑戦してみてほしい。春に色とりどりの花々を眺められる。寒い冬の間に凍えてしまった気分も、パッと華やかになるだろう。

勿忘草と相性がいい植物は、以下のとおりだ。

パンジー、ビオラ パンジーやビオラは、勿忘草と開花時期が重なる春の代表的な花。花色も豊富で、勿忘草の青い花と相性がよい。草丈も勿忘草と近いので、バランスを取りやすい。
プリムラ プリムラも、春の草花の定番。赤・黄色・ピンクなどの鮮やかな花色が、勿忘草の青と美しいコントラストを生み出す。草丈が低めなので、縁取りとして使うとよい。
デイジー (ヒナギク) 白や黄色の可憐な花を咲かせるデイジーは、勿忘草とよく合う。丈夫で育てやすく、長く花を楽しめるのも魅力。草丈は勿忘草より少し高め。ワンポイントとして使うとよい。
アリッサム 白や桃色、黄色の小さな花を密集させて咲かせる。ふんわりとした草姿が勿忘草と調和する。香りもよい。こぼれ種で増えるので、混植・寄せ植えの隙間を埋めてくれる。
チューリップ 開花時期は勿忘草より少し遅めだが、球根を秋に植え込んでおけば、勿忘草と同時に花を楽しめる。ピンクや黄色のチューリップを背後に配置すると、より華やかな印象に。

混植や寄せ植えでは、開花時期をそろえ、草丈や花色のバランスが取れる草花を選ぶのがポイントだ。勿忘草と上述の植物を組み合わせることで、より魅力的な花壇やプランターにできるだろう。

まとめ:勿忘草(ワスレナグサ)を庭に植えてはいけない理由とは

さいごに、本稿のおさらいをしておこう。

勿忘草を庭に植えてはいけない?

勿忘草を庭に植えても問題ない。ただし、こぼれ種による繁殖はコントロールしたい。花がら摘みや株の引き抜きで調整しよう。プランター栽培もおすすめだ。詳しくはこちらをご覧いただきたい。

勿忘草を庭に植えてはいけないと言われる理由と対処法

勿忘草の魅力は?

勿忘草は魅力的な花だ。春の庭を優しく彩ってくれる。密集して生えるので、グランドカバーにも適している。切り花やドライフラワーにするのもよい。詳しくはこちらをご覧いただきたい。

勿忘草の魅了や庭に植えるメリット

  • この記事を書いた人
ホリカワ ダット

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住宅分野専門のSEOライター・ブロガー。インテリアコーディネーター1級カラーコディネーター (商品色彩) の資格保有。ランサーズ認定・不動産ライタースペシャリスト。庭づくりや外構のポイントを、わかりやすく解説します。

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